軽井沢浅間高原ビール事件拒絶査定不服審判 拒絶2012-006730
軽井沢浅間高原ビール事件拒絶査定不服審判 拒絶2012-006730
【管理番号】
第1261494号
【総通号数】
第153号
(190)【発行国・地域】
日本国特許庁(JP)
【公報種別】
商標審決公報
【発行日】
平成24年9月28日(2012.9.28)
【種別】
拒絶査定不服の審決
【審判番号】
不服2012-6730(T2012-6730/J1)
【審判請求日】
平成24年4月13日(2012.4.13)
【確定日】
平成24年8月13日(2012.8.13)
【審決分類】
T18 .13 -WY (X32)
T18 .272-WY (X32)
【請求人】
【氏名又は名称】
軽井沢ブルワリー株式会社
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】
小栗 昌平
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】
市川 利光
【事件の表示】
商願2011-36595拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結論】
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
【理由】
1 本願商標
本願商標は、「軽井沢浅間高原ビール」の文字を標準文字で表してなり、第32類「エールビール,ラガービール,黒ビール,スタウトビール,ドラフトビール,その他のビール」を指定商品として、平成23年5月30日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『軽井沢浅間高原ビール』の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の『軽井沢』の文字は『長野県軽井沢町』を表す地名であり、『浅間高原』の文字は『群馬県嬬恋村と長野県軽井沢町の境にある浅間山の東側に位置する高原』を表す地名(高原名)である。そして、『軽井沢町』が国際的避暑地であること、及び『浅間高原』が、近年、観光地として知られていることが確認できる。また、長野県軽井沢町及び浅間高原周辺地域においてビールの製造・販売が行われている実情を窺い知ることができる。
ところで、一般に避暑地や観光地においては、地ビールや地酒等の酒類、菓子等の食品をはじめとする各種商品が、名産品、土産品として販売されており、当該地における取引商品であることをその地名と販売する商品名とを商品に表示して取引に資されることは普通に行われているところである。
これらの実情よりすれば、本願商標の構成中『軽井沢』及び『浅間高原』の文字は、特定の地域であって、避暑地・観光地として知られた地名の一つを表したものと認識されるものであり、『ビール』の文字は、本願指定商品の商品名を表示するものであるから、これに接する需要者等は、本願商標全体からビールの産地・販売地、品質を表示したものと容易に認識するものといえるから、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、全体として、『長野県軽井沢町及び浅間高原周辺地域において製造あるいは販売された商品』であることを理解、認識するにとどまり、単に商品の産地、販売地、品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものといえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「軽井沢浅間高原ビール」の文字よりなるところ、その構成中「軽井沢」の文字は「長野県北佐久郡軽井沢町」の町名として、「浅間高原」の文字は「浅間山の山麓にまたがる高原。」とする地域名(コンサイス日本地名辞典第5版)としてそれぞれの地域を表すものと認められるが、それらを同書同大に一連に表した「軽井沢浅間高原」の文字から、上記の通りの別個の地域を産地又は販売地として認識するものとはいい難いものである。
また、当審において職権を持って調査するも、「軽井沢浅間高原」が具体的な地域(地名)を表すものとして取引上普通に使用されているという事実を見いだすことはできなかった。
してみれば、本願商標は、その指定商品について商品の品質を表示するものでなく、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たすものであって、かつ、商品の品質の誤認を生じさせるおそれもないとみるのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
【審決日】
平成24年7月31日(2012.7.31)
【審判長】【特許庁審判官】
内山 進
【特許庁審判官】
梶原 良子
【特許庁審判官】
小俣 克巳
(210)【出願番号】
商願2011-36595(T2011-36595)
(220)【出願日】
平成23年5月30日(2011.5.30)
(541)【標準文字】
(561)【商標の称呼】
カルイザワアサマコーゲンビール、アサマコーゲンビール、カルイザワビール
【最終処分】
成立
【前審関与審査官】
安達 輝幸、深田 彩紀子